電気用品安全法に関する質問主意書&答弁書

中川正春代議士(民主党所属)の提出した質問主意書と、それに対する答弁書を自分の考えを整理するために編集してみた。
青字=質問主意書
赤字=答弁書

電気用品安全法に関する質問主意書
五年間の経過措置を経てこの四月から本法が本格施行になるが、全国で三十万社あるといわれる中古品の販売業者・リサイクルショップや楽器店などで大きな混乱が起きている。そこで次の事項について質問する。

内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員中川正春君提出電気用品安全法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員中川正春君提出電気用品安全法に関する質問に対する答弁書


1 中古製品を販売する古物商等はこの法の規制対象に含まれるのか。その場合、規制の根拠は何か。
1について 御指摘の「中古製品を販売する古物商等」が電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号。以下「法」という。)第二条第一項の電気用品の販売の事業を行う場合は、法第二十七条等の規定の適用を受ける。


2 五年間の経過措置期間中、経済産業省は古物商等の業界団体に具体的にどのような周知徹底をしたのか時系列で示してほしい。また、古物商を管轄する警察庁に連絡したのが本年二月に入ってからであるのはどのような理由によるのか。
2について 通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成十一年法律第百二十一号。以下「整理合理化法」という。)の制定以降、古物商の団体のみに対する特別の周知は行っていないが、経済産業省本省、地方経済産業局、国内登録検査機関、業界団体等が主体となり、講習会、セミナー等の場において、法の内容についての説明を実施するとともに、法の内容に関するパンフレットを配布するなど、広く周知を行ってきたところである。また、本年に入ってから、古物商等から多数の問い合わせがあったことなどから、本年二月に、経済産業省から警察庁に対し、法の内容についての周知の要請を行った。


3 古物商等が製造事業者として自主検査によってPSE表示を貼った場合、製造物責任法上の損害賠償の対象となるのか。
3について 法第十条第一項の規定により表示を付した者が製造物責任法(平成六年法律第八十五号)第二条第三項の製造業者等に該当するかどうかについては、個別具体の事例に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。


4 PSE表示の導入が決まった九九年以前に作られた電気用品と本格施行される〇六年四月一日以降に作られる電気用品の間に安全性の面で大きな違いがあると認識しているのか。
4について 法第八条第一項の技術基準は、電気用品ごとに、必要に応じて見直しを行っているものであり、一概にお答えすることは困難である。


5 本法施行前に購入し家庭で使用している、PSE表示が付いていない電気用品は危険だと認識しているのか、消費者にどのような危険が生ずると認識しているのか。
5について 御指摘の「本法施行前に購入し家庭で使用している、PSE表示が付いていない電気用品」については、当該電気用品の家庭における使用状況等により、その安全性は異なることから、一概にお答えすることは困難である。


6 PSE表示の貼っていない電気用品を売れなくなった古物商等へどのような経済的影響が出ると予測しているのか、また、売れなくなった電気用品が廃棄物として出る量がどのくらいになると見積もっているのか。
6について 中古の電気用品を販売する古物商等が、整理合理化法附則第五十条第一項の経過措置(以下「経過措置」という。)の終了後、法第十条第一項の規定による表示が付されていない電気用品をどのように取り扱うかについては、それぞれの古物商等の判断によるものであることなどから、お尋ねの「経済的影響」について一概にお答えすることは困難である。また、お尋ねの「売れなくなった電気用品が廃棄物として出る量」については、経過措置が終了する電気用品について、古物商等が所有している数量が明らかでないことなどから、お答えすることは困難である。


7 法律の趣旨は市場に出る前の段階で電気用品の安全性を民間が自主的に担保することにあると考えられるが、リサイクルを目的とする古物商等に電気用品の技術基準適合確認の義務を課すことは法の趣旨に反するのではないか。また、このことでリサイクル、リユースが影響を受けるのではないか。
7について 法は、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とするものであることから、古物商等が法第四条に規定する届出事業者であれば、法第八条等の規定の適用を受ける。また、法第十条第一項の規定による表示が付された電気用品が流通することにより、安全な再使用が促進されると考えられる。


8 本法施行以前に製造された電気用品は、電気用品取締法の安全性を欠くものとの認識なのか。
8について 整理合理化法の施行前に製造された電気用品については、整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法の規定に基づき、技術基準に適合することとされていたところである。


9 個人間の売買、レンタル、海外輸出の場合にはPSE表示は必要ないというのは、電気用品の安全性確保という趣旨に反するのではないか。
9について 法は、電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者に着目し、我が国における電気用品による危険及び障害の発生を防止するため規制措置を講じているものであるが、このことが「電気用品の安全性確保という趣旨に反する」とは考えていない。


10 経済産業省は世論の強い反発を受けて無料出張検査や検査装置の無料貸し出しなどの措置を決めたが、この措置によって全国の古物商等は四月一日までにすべて対応できると考えているのか。古物商等に対する本格適用を延期すべきではないか。
10について 経済産業省としては、古物商等からの要望も踏まえ、独立行政法人製品評価技術基盤機構等による出張検査や検査装置の貸出し等の支援が適切に行われるよう、対策を講じているところである。
また、既に経過措置の終了に向けた対応を行っている古物商等も存在することなどから、経済産業省としては、経過措置の期間を延長することは適当ではないと考えている。